予防接種について

季節性インフルエンザワクチン


 インフルエンザは冬に流行するウイルスです。悪寒・戦慄、高熱、咳、鼻汁などを初期症状とし、体力のある成人でも寝込んでしまうことのある疾患です。体力のない乳幼児、高齢者では、命にかかわる危険な状態になることも少なくありません。
 インフルエンザワクチン(予防接種)は、インフルエンザの発症を抑え、発症しても軽症化させる効果が知られています。

高齢者に対するインフルエンザワクチンの有効性

発症阻止56%
肺炎阻止53%
入院阻止50%
死亡阻止68%

 下記の条件に該当する方は、インフルエンザワクチン接種をおすすめします。

  • ワクチン接種することを強くすすめられる方
    呼吸不全、重症喘息、肺気腫、心不全、心臓病、腎不全、糖尿病などの病気の方(主治医に相談の上、申し込みをしてください)。
  • ワクチン接種することをすすめられる方
    高齢者、病院の医師、看護師、長期療養施設や老人ホームで働く人、呼吸不全・心不全のある患者と同居している家族など。
  • ワクチンは鶏卵で作るため、卵(鶏卵、鶏肉)アレルギーのある方は接種できません。
  • ワクチン接種の一般的副作用は、接種部位の腫れ、かゆみなどの局所反応や発熱、頭痛、倦怠感などの全身反応が、接種者の一部の方に出現することがあるとの報告があります。

肺炎球菌ワクチン

月~金曜日 午前9時~11時30分までに総合診療科の受診受付を行い、診察後にワクチン接種ができます。
※当日の体調により接種ができないことがあります。
※ワクチンの供給状況によってはワクチン接種が後日となる場合があります。事前の問い合わせをおすすめします。

 肺炎球菌が原因となる肺炎などの感染症を予防するためのワクチンです。
 1回の接種で5年以上免疫が持続するという報告もあり、ワクチンを接種しておくと、肺炎にかかっても軽い症状で済む効果が期待されます。
 特に65歳以上の方や糖尿病の方、心臓や呼吸器に慢性疾患のある方にはおすすめします。

麻疹・風疹ワクチン

ワクチン接種は事前予約が必要なため、総合診療科へ2回受診していただきます。

1回目診察後採血を実施します(抗体価を調べます)。
月~金曜日 午前9時~11時30分
2回目採血結果を確認後、ワクチン接種を実施します。
月~金曜日 午前9時~11時30分

① ワクチン接種の重要性と意義

 平成19年春から夏にかけ日本全国において、10歳後半から30歳前半の青年層に麻疹の流行がみられ、学校閉鎖が一部で行われるほど社会問題となりました。
 麻疹は感染力が強く39度以上の高熱を発し、肺炎、脳炎など重篤な合併症があり、ワクチン接種によりこれらの合併症を予防できます。
 尚、現在麻疹単独ワクチンは製造されていないため麻疹・風疹混合ワクチン接種となります。

② 麻疹(はしか)

 ウイルスの感染によっておこる感染症です。感染力がとても強く日本人は一生に一度はかかるとも言われています。
 感染後1~2週間して症状が出始めます。
 まず、発熱・咳・鼻水・結膜炎が出始め、特に咳が強くなります。
 2~4日目ごろ、いちど熱が下がります。このころ口の中(ほっぺたの裏側)にコプリック斑と呼ばれる白い斑点が出ます(一番他人にうつしやすい時期です)。
 半日たてば、再び高熱が出て、今度は発疹が出始めます。発熱・咳・鼻水・結膜炎などの症状はさらにひどくなります。合併症を起こさなければ、二度目の熱は4~5日ほどで下がり発疹の色も変わり皮剥けしてきます。

③ 風疹(3日はしか)

 多くの場合「麻疹(はしか)」より軽い病気ですが、感染力は強く、学童・思春期に多発します。但し感染しても4人に1人は発病しないと言われています。
 小さな紅斑状丘疹・リンパ線の腫れ・発熱症状が出始めます。リンパ線の腫れは通常発疹の出現よりも数日早く出現し3~6週間で引いていきます。発熱は38~39℃程度で3日程続きます。