平成24年度第1回地域講演会「活き生き健康生活」

<開催日>平成24年6月2日(土)
<場 所>柿崎地区公民館
<講演内容>
1.高齢者には怖〜い肺炎:内科医師 外山美央

 肺炎は今日では治療薬が進歩しており、ほとんどの場合はきちんと治療すれば治る病気ですが、日本人の死因の第4位から第3位になり、特に高齢者になると死亡率の高くなる怖い病気です。
 原因となる菌が上気道、気管支を経て肺の奥まで入りこむと肺炎になります。症状は発熱や咳、痰などで風邪の症状とよく似ていますが、高齢で認知症や寝たきりの人などはこれらの症状がわかりにくいときもあるので、発見が遅れて重症化するので注意が必要です。元気がなく、ぐったりしている、食事をとらず寝てばかりいる、呼吸が荒い、舌が乾いているなどの症状が見られたらすぐに受診してください。
 肺炎を疑った場合は、血液検査で白血球やCRPというたんぱく質の数値の上昇をみて炎症反応が起きていることを確認し、胸部のレントゲンやCTで実際の肺の状態を観察します。また、痰を取って培養し、原因菌を特定する検査によって、有効な抗菌薬を選択し、適切な治療を進めます。

<代表的な肺炎>
@肺炎球菌肺炎
 肺炎の多くはこの肺炎球菌が原因で、抗生剤がよく効きます。ですが、肺全体に広がり
 やすく重症化しやすいので、発見が遅れると命取りになります。65歳以上の人や合併
 症のある人は肺炎球菌ワクチンを接種しておくと安心です。
Aレジオネラ肺炎
 土や川、湖など自然の中にいるレジオネラ菌が原因で、抵抗力の弱い高齢者や合併症の
 ある人がこの菌を吸い込むとかかります。温泉へ行った後や庭いじりの後2〜10日後
 に症状が出てきたらレジオネラ肺炎が疑われます。この肺炎も抗生剤が効きますが、す
 ぐに治療しないと重症化するので、症状が出たらすぐに受診しましょう。
B結核
 以前にかかった結核が高齢になってきて発症、悪化する場合が多く、患者の50%以上
 が70歳以上の高齢者です。感染力があるため、発症した場合は隔離、専門病院への入
 院となり、抗生剤の飲み薬を6〜9ヶ月服用する必要があります。
C誤嚥性肺炎
 食べ物や唾液が誤って肺に入り込んでしまい起こる肺炎です。高齢者とくに認知症、寝
 たきりの人、むせやすい人は注意が必要です。誤嚥性肺炎に気付かず放っておくと命取
 りになるので、食事中にむせる、痰が汚く多い、常にのどがゴロゴロいっているなどの
 症状が出たら、すぐに受診しましょう。誤嚥性肺炎は予防が大事です。寝たきりやむせ
 やすい人は、口のなかをきれいにする、食べる時の態勢に気をつけゆっくり食べる、食
 材にとろみをつけて飲み込みやすくするなどの工夫をしましょう。
 
2.肺炎の原因菌とウイルスの検査について:臨床検査技師 伊藤たまえ

 肺炎の検査には、肺炎の診断と重症度を判定する検査と、肺炎の原因菌やウイルスを特定してそれに効く薬を選択するための検査があります。

●確定診断のための検査(画像で肺炎を確認する)
 ・胸部X線検査
 ・胸部CT検査
●重症度判定のための検査(全身状態を把握して重症度を評価する)
 ・血液ガス分析
 ・血液検査
 ・尿検査
●原因菌、ウイルスを特定する検査(どの薬が効くか選択する)
 ・血液培養検査
 ・喀痰の塗抹および培養検査
 ・抗原抗体検査
 ・遺伝子検査