平成23年度第3回地域講演会「活き生き健康生活」

<開催日>平成24年2月4日(土)
<場 所>柿崎地区公民館
<講演内容>
1.食事中のむせ、咳込み、気になりませんか?:摂食嚥下障害看護認定看護師 繻エ広美

 摂食嚥下とは、普段聞き慣れないことばですが、@食物の形や量、質などを認識し、食べ方を判断したり、唾液の分泌を促すA口に取り込んだ食物をかんで、唾液と混ぜ、飲み込みやすい塊にするB食塊を口からのど、のどから食道に送り込むという一連の動作のことです。
 摂食嚥下障害の症状としては、食事中にむせる、咳き込む、食物が飲み込みにくい、口からこぼれる、などがあります。その原因は脳の病気や筋・神経の病気からくる場合、口腔・咽頭・食道のがんやその摘出による場合などがありますが、さらに加齢によって、歯の欠損から噛む力が低下したり、唾液の分泌量が少なくなったり、筋力低下と靭帯がゆるむことで喉頭が下がり、食道の入口が開きにくくなり、摂食嚥下障害が起こることもあります。摂食嚥下障害が起こると、誤嚥性肺炎や窒息の危険性が高まり、栄養状態が悪化し脱水になります。また、食べる楽しみがなくなり、生きる意欲の消失にもつながります。
 嚥下障害なくいつまでも安全に食べるために、以下のことに気をつけましょう。
 @摂食・嚥下機能の維持
  ●歯磨き、虫歯の治療、義歯の調整をしっかりとし、口の中を清潔にしておく。
  ●会話や歌を歌うことで口の周りの筋肉や舌、唇の運動、唾液の分泌を促す。
  ●食事前に口・舌・のどの運動や発声練習をする。
 A食事摂取方法の工夫
  ●食物が口の中にある間は、噛むこと、飲み込むことに集中する。
  ●椅子に深く腰掛け、飲み込むときはあごを引く。
   →テレビが食卓より上の位置にあると、むせやすい。
  ●飲み込みにくい食事に注意する。
   ・水分:水、ジュース、お茶
   ・酸味の強いもの:酢の物、柑橘類
   ・パサつくもの:焼き魚、ゆで卵、ふかし芋
   ・かんだ後バラバラになるもの:かまぼこ、ピーナッツ、ひじき
   ・のどに貼りつくもの:もち、パン、焼き海苔、ウエハース
   ・水分と固形物に分かれるもの:がんもどき、高野豆腐、スイカ
  ●水分は動きが早くむせやすいので、トロミ調整食品でトロミをつける。
  ●一口で頬張らず、少しずつしっかり噛んで、しっかりと飲み込む。
 B誤嚥性肺炎の予防
  ●誤嚥したら咳を我慢せず、思いきり咳をすることで取り除く。
  ●誤嚥しても、肺炎にならない体力を維持する。
  ●きれいな唾液は誤嚥しても肺炎につながらないので、口の中をきれいにしておく。

2.嚥下体操〜安全に食べよう体操〜と食べる時の姿勢:理学療法士 小海菊江
 誤嚥を防ぐために有効な方法を紹介します。
 @食事姿勢を調整する。
  食事のときは、軽く顎をひいた姿勢を保ちましょう。空気の通り道のしまりがよくな
  り、食道が広く開くので誤嚥しにくくなります。
  足底を床にしっかりとつけ、体を傾けないようにして、枕や背もたれの角度を調整す
  ることで首の位置を正しく保つとよいです。
 A誤嚥をした場合は、力強い咳で取り除く。
  仰向けでする咳は、横隔膜が上に位置するため肺の容量が少なく、弱い咳になりま
  す。咳をする時に腹部を軽く圧迫して介助すると出やすくなります。
  座位では横隔膜の位置が下がるので、肺の容量が増えてより強い咳をすることがで
  きます。咳をする時に背後から胸を絞り込むように押して介助すると出やすくなり
  ます。
 B食前に準備体操をする。
  毎日少しずつ継続することで効果を発揮します。
  ●首や肩のリラクゼーション
   首を前後左右へ曲げたり、傾けます。肩を上げ下げしたり、背伸びをします。
   →首の緊張を和らげ、口や喉頭が動きやすくなります。
  ●口周囲筋の運動
   頬をふくらませたり、すぼめたりします。
   「あ」、「ん」、「い」、「う」と大きく口を動かして発声します。
   →唇を閉じる能力を強化し、口の中で食物を混ぜ合わせる能力を向上させます。
  ●舌の運動
   舌を前後左右上下に大きく動かします。
   →舌の筋力を増強させ、食物を口の中でまとめたり、喉への送り込みをしやすくし
    ます。
  これらの運動を取り入れた“安全に食べよう体操”を柿崎の皆さんになじみのある
  「柿崎ふれあい音頭」に合わせて紹介しました。会場でも実際に参加者の皆さんとい
  っしょに音楽に合わせて体操し、好評でした。
  音楽に合わせて体操すると、無理なく楽しく毎日継続できると思いますので、この嚥
  下体操〜ふれあい音頭バージョン〜についてご希望があればお教えいたしますので、
  お気軽にお問合せください。