第3回 頚北地区の医療を考える会

<開催日> 平成23年7月9日(土)

<場 所> 柿崎地区公民館

<内 容>
●第1部 基調講演
「地域が守る医療 ―兵庫県丹波地域の住民の取り組み―」
 兵庫県丹波新聞記者 足立智和 様 

 兵庫県丹波市にある中核病院・県立柏原病院では医師不足による勤務医の過酷な労働が続き、小児科存続の危機に瀕した時期がありましたが、医師をいたわるさまざまな住民運動により再生してきました。その過程をお話しいただきました。
 この地域のお母さん達による「小児科を守る会」が始めた活動は、地域に浸透し、医師の負担を軽減することに成功しました。休日や夜間の時間帯に緊急性がなく軽症で来院するコンビニ受診を控え、本当に重症な患者が受診するよう徹底して呼びかけ、受診の目安を冊子にしたものを幼児のいる全家庭に配布する取り組みをしました。その結果時間外受診は目に見えて減少、勤務医の負担が軽減し、その取り組みが評判となり、逆に勤務医が増えたということです。
 そんなお母さん達の熱意に触発され、この地域の医療を取り巻く住民参加型のネットワークは現在も広がっているとのことでした。
(院長コメント)
 ここ頚北地区は、新潟県の中でも医師の少ない地域です。限りある医療資源を守り、継続していくためには、医療者だけではなく住民、行政等が一体となり医師の定着する魅力ある地域になることが大切です。当院も様々な活動を通して地域との関わりを深めていくことに取り組んでいます。地域の皆様もどうぞ柿崎病院に足を運んでいただき、柿崎病院のことをもっと知っていただきたいと思います。

●第2部 シンポジウム
「この地区の医療を絶やさないために」

 @地域医療を支える住民活動の必要性 ―住民の立場から― :柿崎区 小出優子様
  民謡流しへの参加、七夕飾り、ギャラリーでの作品展示や中庭の花壇作りなど、最近
 の柿崎病院の取り組みや明るい雰囲気を紹介され、地域との関わりを大切にしたいとい
 う当院の思いを伝えてくださいました。また、本来このようなフォーラムも病院側が提
 供するのではなく、住民側が主催して病院を巻き込んでやるべきものであるとし、今回
 の足立さんの講演から得た住民活動の手法を参考にして、病院との関わりを考えていき
 たいとお話しいただきました。

 A地域医療を支える住民活動の必要性 ―記者の立場から―
                       :上越タイムス頚北支局長 筒井聡様
  過去のイメージとは違う柿崎病院の明るい雰囲気、職員間の風通しの良さに触れてい
 ただき、行事や新しい取り組みなどを通して地域へ発信し続ける当院の姿勢を評価いた
 だきました。また、特色ある吉川高校の廃校を例に、行政のコストカットの厳しさに言
 及し、当院のような地域医療病院の存続も同じ問題をはらんでいると警鐘を鳴らしまし
 た。同時に後援会の活動について、医師派遣の陳情活動だけではなく、病院と住民とを
 結びつける役割を担う必要があるとし、後援会の活発化を提言されました。

 B地域医療と地域活動 ―患者会、老人会、ボランティアの活動を通して―
                         :柿崎区旭寿会会長 蓑輪憲之様
  呼吸器疾患で通院中の蓑輪さんは昨年、慢性呼吸不全患者会「まつかぜ友の会」に入
 会したことで柿崎病院に関心を寄せるようになり、関わりを深めてくださっています。
 病院を盛り上げるひとつの方法として、住民が草取りやお茶飲みでもいいから少しでも
 病院に出入りすることを提言され、住民側も従来からの意識を変えて、まずは地元の病
 院を利用することが病院の活性化の第一歩であるとお話しいただきました。

 C地域に信頼される病院(地域愛着病院)を目指して ―最近の取り組み紹介―
                      :県立柿崎病院看護部長 小野塚久美子
  信頼される病院を目指して、当院が行っている取り組みについて紹介しました。
  1.ヘルスプロモーション活動として、地域講演会や出前健康講座、中学校の授業で
    の禁煙の話など地域の人々の健康づくりに取り組んでいます。
  2.地域の皆様との相互の関係を築くため、書や絵画を展示するスペース(ギャラリ
    ー)を設けたり、中庭に花壇を作ってご利用いただいたり、地域の方からボラン
    ティア活動を通して支援していただいています。また、病院だよりやホームペー
    ジで病院の情報を発信しています。
  3.地域の方々との距離を縮めるために、JA産業祭やお引き上げ民謡流しなどの地域
    の行事に積極的に参加しています。
  4.職場を活性化し、病院を利用される方々に笑顔を提供できるよう、職員を紹介す
    るポスターを作成したり、七夕やクリスマスにハンドベルコンサートを行ったり
    しています。

 D柿崎病院後援会の活動:柿崎病院後援会事務局長 中村修治様
  柿崎病院は明治から続く長い歴史のなか、幾度となく存続の危機に立たされそれを乗
 り越えてきました。医療環境や経営母体は変われど、またいつそのような存続の危機を
 迎えるかわからないとし、地域住民の生活に欠かせない医療は、みんなで守っていかな
 ければいけないとお話しいただきました。後援会の運営費として柿崎区のお宅から1軒
 あたり100円を負担していただき、吉川区、大潟区からもご支援をいただいています
 。これからも地域と病院の橋渡し役として、後援会活動を続けていけるよう住民の皆様
 のご協力をお願いされました。